年末調整の季節に確かめたい、ふるさと納税の控除の受け方。国税庁の案内では「確定申告」か「ワンストップ特例」、特例が使えなくなる場合も

秋が深まると、会社員には年末調整の季節がやってきます。国税庁も「令和8年分 年末調整のしかた」を公開しています。
その書類を前にして、ふと気になるのが「この1年にしたふるさと納税の控除は、どうやって受けるんだっけ?」ということ。この記事では、国税庁と総務省の案内(2026年10月17日に確認)で、控除を受ける方法として案内されている2つの方法と、ワンストップ特例が使えなくなる場合を確かめます。
※国税庁の案内では、この控除の正式な名前の「付」の字を「附」と書いています。この記事では「寄付金控除」と書きます。
控除を受ける方法は「確定申告」か「ワンストップ特例」
国税庁のタックスアンサー No.1155「ふるさと納税」には、控除を受けるには、ふるさと納税をした年分の確定申告をする必要があると書かれています。続けて、確定申告が不要な給与所得者は、ふるさと納税先が5団体以内の場合に限り、ふるさと納税先の団体に申請することで控除を受けられるとあり、この制度が「ふるさと納税ワンストップ特例制度」です(2015年4月1日から)。
| 確定申告 | ワンストップ特例 | |
|---|---|---|
| だれが使う | ふるさと納税をして控除を受ける人(下のワンストップ特例を使わない人) | 確定申告が不要な給与所得者などで、ふるさと納税先が5団体以内の人 |
| どうする | ふるさと納税をした年分の確定申告をする | ふるさと納税先の自治体に、特例の申請書を出す(総務省の案内では、ふるさと納税を行う際に出す) |
総務省のふるさと納税のページでも、税金の控除を受けるには原則として確定申告を行う必要があるとし、そのうえで2015年4月1日からワンストップ特例制度が始まっている、と説明しています。
つまり、国税庁の案内で、ふるさと納税の控除を受ける方法として挙がっているのは確定申告とワンストップ特例の2つです。
年末調整を受けた人の確定申告も、国税庁の資料に
「会社で年末調整を受けたら、確定申告はしなくていいのでは?」と思う人もいるかもしれません。国税庁の資料を見ると、年末調整を受けた人が確定申告をして控除を受ける形も案内されています。
- タックスアンサー No.2030「還付申告」:給与所得者が原則として還付申告をできる場合の例に、特定の寄付をしたとき(寄付金控除)が挙がっている
- 確定申告書の記載例に、給与所得について年末調整を受けた人が、医療費控除と寄付金控除を受ける場合のものがある(令和4年分の手引きをもとにした記載例)
年末調整の書類をどう書くか、自分の場合に確定申告が要るかどうかは、収入や家族の状況、ほかの控除によって変わります。迷ったときは、国税庁の案内や税務署、お住まいの市区町村の案内で確かめてください。
ワンストップ特例が使えなくなる場合
ワンストップ特例の申請書を出していても、特例が適用されないことがあります。総務省のリーフレット「ワンストップ特例を申請する皆様へ」には、「確定申告をする方や6団体以上にワンストップ特例を申請する方などは、特例が適用されません。」とあり、適用されない場合として次の3つが挙がっています。
- 医療費控除の申告などのため、確定申告をした、または住民税の申告をした
- 6団体以上にワンストップ特例を申請した
- 寄付した翌年の1月1日の住所地が、申請書に書いた市町村でなくなったのに、変更の届け出をしていない
ワンストップ特例の申請書を3つの自治体に出した。そのあと医療費控除で確定申告をすることに。申請した3つの分は、確定申告に入れる? 入れない?
入れるワン。国税庁 No.1155 では、確定申告をする人はワンストップ特例の申請が無効になるので、申請した分もふくめて寄付金控除の額を計算する必要がある、とされています。
1つめは、国税庁 No.1155 にも書かれています。確定申告をする人は、ワンストップ特例の申請が無効になるため、特例を申請した分もふくめて寄付金控除の額を計算する必要があります。
2つめについては、総務省の「ふるさと納税の流れ」にも、6団体以上にふるさと納税を行った場合は、確定申告を行う必要があると書かれています。年末に向けて寄付先を足すときは、その年の寄付先がいくつになるかを数えておくと、6団体以上になるかどうかが分かります。
引っ越したときは「変更届出書」を翌年1月10日までに
3つめの「住所」は、届け出をすれば防げます。総務省のリーフレットには、ワンストップ特例を申請したあとで、住所地の市町村の外へ転居するなど申請書の記載事項に変更がある場合は、寄付した翌年の1月10日までに申請先に届け出れば特例が適用されるとあります。総務省の制度改正の案内でも、転居による住所変更などがあったときは、ふるさと納税を行った翌年の1月10日までに、ふるさと納税先の自治体へ「変更届出書」を出すよう書かれています。
特例を申請したあとに引っ越した。特例が適用されるまで、どの順番?
- ふるさと納税をするときに、ワンストップ特例の申請書を出す
- 転居して、申請書に書いた住所が変わる
- 寄付した翌年の1月10日までに、寄付先の自治体へ変更届出書を出す
- ワンストップ特例が適用される
住所のほかにも、申請書の記載事項に変更があったときは、リーフレットのとおり申請先への届け出が必要です。届け出の書式や受け付けの方法は、寄付先の自治体の案内で確かめてください。
次に読むページ
自分がどちらの方法になりそうか分かったら、それぞれの手続きのページへどうぞ。
- ワンストップ特例を使う人:使える人の条件、申請書の出し方とスマホでのオンライン申請は「ふるさと納税ワンストップ特例制度」
- 確定申告をする人:「ふるさと納税のe-Tax確定申告のやり方」と、申告で使える「1年分の証明書データ」の受け取り方
- 寄付をしたポータルサイトで、申請の案内を見るとき:「ふるさとチョイスの使い方」「楽天ふるさと納税の使い方」「さとふるの使い方」
- 年内に寄付先を足すとき:「2026年分の締め切りカレンダー」と、この時期に届くお礼の品の記事(「早生みかん」「種なし柿」)。寄付先が5団体以内に収まるかどうかも、いっしょに数えておくと安心です
年末調整の書類を書く日は、ふるさと納税の控除の受け方を確かめる日にもちょうどよい日です。方法は2つ、特例が使えなくなる場合は3つ。そこだけ押さえておけば、年明けにあわてずにすみます。
※2026年10月17日に、国税庁・総務省の公式のページで確かめた情報です。税の扱いは、収入や家族の状況によって変わります。自分の場合のことは、国税庁の案内や税務署、お住まいの市区町村で確かめてください。
参考にした情報
- 国税庁「タックスアンサー No.1155 ふるさと納税」(令和8年4月1日現在法令等。2026年10月17日に確認)
- 国税庁「タックスアンサー No.2030 還付申告」(2026年10月17日に確認)
- 国税庁「給与所得者(年末調整済)の確定申告書の記載例」(令和4年分の手引きをもとにした記載例。2026年10月17日に確認)
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」(2026年10月17日に確認)
- 総務省「ふるさと納税ポータル 税金の控除について」(2026年10月17日に確認)
- 総務省「ふるさと納税ポータル ふるさと納税の流れ」(2026年10月17日に確認)
- 総務省「リーフレット ワンストップ特例を申請する皆様へ」(2026年10月17日に確認)
- 総務省「ふるさと納税ポータル 制度改正について(2015年4月1日)」(2026年10月17日に確認)



